関西にはなじみのない「酉の市」
〜二の酉(11月24日)に込められた、商売繁盛と人々の祈り〜
11月になると、関東では一気に空気がざわつき始めます。
「酉の市(とりのいち)」が近づいてくるからです。
商売繁盛を願う祭りとして全国的に知られていますが、
実は——
関西ではあまり馴染みがない文化だということをご存じでしょうか。
関西の方に「酉の市って行く?」と聞くと、
「何それ?」「名前は聞いたことあるけど…」
という反応が返ってくることも珍しくありません。
関東から転勤してきた方が「今年はどこに行けばいいの?」と戸惑う姿も。
それほど、酉の市は“地域色が濃い”伝統行事なのです。

■ 酉の市ってどんな行事?
酉の市は、毎年11月の「酉の日」に
全国の大鳥神社(おおとりじんじゃ)や鷲神社(おおとりじんじゃ)で行われる祭礼です。
ご祭神は、
日本武尊(やまとたけるのみこと)
勝負・開運・商売繁盛・家内安全の神さまとして長く信仰されてきました。
境内には、福を呼ぶ「熊手(くまで)」が所狭しと並び、
「商売繁盛!家内安全!ヨヨヨイヨイ!」
という威勢の良い手締めがあちこちで聞こえます。
江戸時代から続くこの文化は、
働く人・家族を守る人・商売を営む人——
“誰かの幸せを願う人”に寄り添い続けてきました。

■ 関西で馴染みが薄い理由
関西には、酉の市のような大規模な冬の祭礼文化がありません。
代わりに「えべっさん(十日戎)」が圧倒的に根強く、
商売繁盛といえば
“えべっさんへ行く文化” が中心です。
「福笹」に吉兆をつけるのも関西独自。
同じ“商売繁盛”でも、地域によってこれほど色が変わるのはとても興味深いことです。

■ 2025年の「二の酉」は11月24日
2025年は「一の酉」「二の酉」の二回。
そのうちの 二の酉が11月24日(月・祝) に当たります。
ちょうど休日とも重なり、
家族でお参りに行くのにもぴったりの日。
関西では馴染みが薄いとはいえ、
近年は「SNSで熊手を見て行ってみたくなった」という声も増えてきています。
熊手は “運を掃き寄せ、福をかき込む” とされ、
子どもたちの学業成就・家族の安全を願うために買う方もいます。

■ 熊手に込める願いは、どこに住んでいても同じ
熊手を買う時は、
「より大きく、より立派なものにしていく」
という“毎年の積み重ね”が特徴です。
それは、
「今年も一年、しっかり頑張りました」
「来年も家族が笑って過ごせますように」
という、まっすぐな祈りの積み上げそのもの。
商売をしている人だけのものではありません。
家庭を守る人、子どもを育てる人、働きながら家族を支える人——
誰にとっても“商売繁盛”は、
人生が少しでも良い方向に運ばれますように
という祈りの言葉なのです。

■ 親としての「商売繁盛」とは?
子どもを育てる毎日は、
目に見えない仕事の連続です。
食事を作る。
洗濯をする。
見守る。
励ます。
時には泣きそうになりながら、また立ち上がる。
親の努力は数字で測れません。
でも、だからこそ——
“家族が健やかに笑っていられること”
これ以上の繁盛はないのだと思います。
酉の市の熊手に願いを込める人々の姿を見ていると、
「みんな誰かのために頑張って生きているんだ」
と胸が温かくなります。
■ 誰かを想って願う文化は、美しい
関西では馴染みがなくても、
酉の市に込められた想いは、どこに住んでいても同じです。
家族の健康を願い、
子どもの成長を願い、
未来が少しでも明るい方向へ向かいますように——
と、手を合わせる心。
11月24日の二の酉。
もし時間があれば、
あなたも心の中でそっと願ってみませんか。
「来年も、家族が笑顔でありますように」と。
その祈りこそが、
最高の“商売繁盛”なのかもしれません。
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