「うちの子、大丈夫でしょうか?」
—— 心気症の子どもたちと、保護者へのメッセージ
先日、ある保護者の方からこんな相談を受けました。
「うちの子、少し具合が悪いとすぐ“病気かもしれない”と言うんです。」
「頭が痛い、心臓が変な感じ、息が苦しい…毎日いろいろ言ってきます。」
「病院で何ともないと言われても、またすぐ不安になるんです。」
「もしかして、心気症でしょうか?
私はどう対応すればいいのかわからなくて…」
こうした相談は、実はとても多いのです。
そして、私の答えはいつも同じです。
「大丈夫です。あなたの子は“弱い”のではなく、ただ“敏感なだけ”です。」

■ “心気症のように見える子”は、実はとても頑張っている
少しの痛みや違和感を大げさに感じる子どもがいます。
お腹が「ちょっと痛い」で不安100%
少し息がしづらく感じると「死んじゃうかも」
咳が出るだけで「大きな病気?」
テスト前に急に体調不良になる
朝になると「胸が苦しい」「学校に行けない」
周囲から見ると“気にしすぎ”に見えても、
本人にとっては本当に本気で怖いのです。
子どもの世界は狭く、経験も少なく、
少しの身体感覚が“大事件”に感じられます。
大人なら
「あぁ、疲れているな」
「ストレスのせいかな」
と分かることでも、
子どもは
“初めての感覚=命に関わるかも”
と結びつけてしまうことがあります。
だからこそ、責める必要はありません。
怖いと感じる自分を守ろうとしている、
まっすぐで正直な反応なのです。

■ 保護者の言葉ひとつで、子どもの不安は大きく変わる
心気症傾向の子どもに必要なのは、
「心配しすぎないで」ではありません。
必要なのは “安心の受け皿” です。
子どもが
「頭が痛い…」「心臓が変」
と言うと、大人はつい慌てます。
しかしそんな時こそ、
ゆっくりと、穏やかな声でこう伝えてほしいのです。
「大丈夫だよ。今の様子なら心配ないよ。」
「一緒に呼吸してみようか。」
「少し休んだら落ち着くと思うよ。」
「不安な気持ち、ちゃんとわかってるよ。」
これだけで、子どもの不安は50%落ち着きます。
不安を否定すると不安は強くなります。
受け止めると、不安は小さくなります。

■ “安心できる大人がそばにいる”
—— それが治療の半分以上
子どもにとって、
「自分の感覚を信じてくれる大人」
の存在は絶対的です。
どんな名医より、どんな薬より、
効果があります。
保護者の方が
「大丈夫だよ、あなたなら乗り越えられるよ」
と言ってくれるだけで、
子どもは自分の身体感覚に振り回されにくくなります。
そしてその安心が積み重なると、
子どもは少しずつ
自分の体を信じられるようになり
不安を抱えながらも行動できるようになり
体調不良に“飲み込まれない”力が育ちます
心気症は“性格”ではありません。
成長とともに変わっていきます。

■ 最後に —— どうか、あなた自身も責めないでください
相談してくれた保護者の方は
「私の育て方が悪かったのでしょうか」
と涙を浮かべました。
私は強く首を振りました。
「いいえ。あなたの子が不安になれるのは、
あなたという“安心できる人”がいるからです。」
不安を吐き出せる場所があること。
それは、育て方が失敗したのではなく、
育て方が成功している証拠です。
お子さんは大丈夫。
そしてあなたも、大丈夫。
今日も子どもの心に寄り添っているあなたに
「よく頑張ってますね」と伝えたい。
どうか、無理をしすぎずに。
一緒に、ゆっくり歩いていきましょう。

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